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幻の川魚、ヤマメって?

川魚の中でも特に水質がいい川の上流にしか生息していないヤマメ。人がなかなか入ることができない川の上流に生息しているだけでなく非常に警戒心が強いことでも有名で、釣りあげるにはかなりの熟練した技術が必要と言われています。

食用としてよりも釣り上げることが難しいというイメージのヤマメですが川魚の中ではクセが少ないため、幅広い料理に活用することができるのです。

ヤマメってどんな魚?

ヤマメはサケ目サケ科に属する魚であるサクラマスのうち、海にくだらず、一生を川で過ごすもののことを指します。地方によってはヤマベとも呼ばれており、別の種類のアマゴとまとめられてエノハと呼ばれることもあります。

ヤマメの特徴は体の側面にある木の葉や小判のような模様(パーマーク)で、成長とともに薄くなっていきます。しかしヤマメの成長スピードは非常に遅く、2年かけても体長はわずか20センチほど。ダム湖などを生息域にしているものはまれに40センチほどまで成長することもあるようですがこの頃になるとパーマークはなく、サクラマスに近い銀色の体になります。

ヤマメが抱える問題

ヤマメは現在、日本各地に多く生息していると言われていますが、実際のところ、純粋なヤマメはごくわずかです。これはヤマメが水質の悪化や乱獲によって数が減った際に行われた無理な放流のため。もともとの生息域を無視してしまったために本来ならば別の種であるアマゴと混ざり、区別がつかなくなってしまったのです。特に放流が盛んだった神奈川県や山梨県ではヤマメとアマゴの両方の特徴を持ったものが釣れることが多いのだそうです。

そのためヤマメには亜種や雑種、と言われる種類が各地で多く確認されており、中には繁殖力を一切持たない種類や、突然変異したものなども出てきているようです。これらは全国様々な場所で確認されており、生態系への影響が懸念されています。

ヤマメを味わい尽くす

そんな問題も多く抱えているヤマメですが、味は非常にたんぱくでクセがなく、食べやすい魚と言われています。体長が小さなものは内臓を抜いて丸ごとから揚げに、大きなものは塩焼きで食べられるのが一般的。塩焼きにする際はあらかじめ塩で身を引き締めてから食べると味がぼやけず、おいしさをダイレクトに味わうことができます。

大型のヤマメであれば、お刺身もおいしいです。寄生虫がいるおそれがあるため冬の時期だけにしか味わえませんが、寒さで身が引き締まり、酒の肴としてぴったりだそうです。自分でさばくときのポイントは、水に触れさせないこと。ヤマメの身は水分を吸収しやすく、水で洗ったりするとすぐ身がたるんでしまい、味もぼやけてしまいます。内臓を取り出したあとの血などは布巾で拭き、包丁やまな板もしっかり水分をとってから使うようにしましょう。しかし天然のヤマメは冬場は資源保護の関係で禁漁になっているため、手に入れるのはかなり大変。運良く手に入ったら、ぜひ試してみてください。

また宮崎県ではヤマメの卵を頂くことができ、黄色っぽい色合いから「黄金のイクラ」として珍重されています。体長が小さいものが多いヤマメは1匹からとれる卵が非常に少ないため販売されることは稀ですので、魚好きならば食べておいて損はない一品です。

アユと違って圧倒的に出回っている数が少ないヤマメ。味はたんぱくでさっぱりとしていますが、アユやイワナとはまた違ったおいしさを持った魚です。もし旅先などで運よく出会う機会があったら、ぜひ一度、食べてみてください。