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刺身は新鮮さが命じゃない!?本当の食べごろとは?

本当の食べごろ 刺身とは魚本来の味を楽しむ、もっともシンプルにして素材のよさがものを言う料理法です。食材自体の味がおいしさを左右するわけですから、普通に考えれば取れ立てのものがもっとも新鮮でいい味がするはずです。

しかし実は、刺身は取れ立ての状態がおいしいとは限りません。なぜなら魚は締めたあとの経過時間によって、味や食感が変化するものだからです。ですから本当においしいものを食べたいなら、それぞれの魚の性質について知っておく必要があります。

時間が経ったものの方が取れ立てよりも旨味が多い!?

もっとも食べるのに適した状態を知るには、まず味のよしあしがなにで決まるかを知っておかなければなりません。一般に食べ物のおいしさは、グルタミン酸やイノシン酸の量が多いほど旨味が増すと言われています。

魚がふくんでいるグルタミン酸の量はあまり時間で変化しませんが、後者のイノシン酸は経過時間で大きく変わるそうです。ほとんどの魚が締めてから10時間前後までは量が増え続けて、以降は現象する傾向にあります。

ですから旨味のみに着目して言えば、締めてから10時間ほど経ったものを食べるのが一番おいしいと言えるでしょう。つまり店が朝いちに市場で仕入れたものを食べるなら、夕方の早めの時間帯に食べにいくのがベストと考えられます。

食感は時間とともにだんだんとやわらかく、肉汁も数時間経ってから

しかし旨味の量が最大だからおいしいとは必ずしも言えません。なぜなら魚には他に食感やにおいと言った要素があります。ですから、本当においしく食べたいのなら、どういう味が自分の好みかもはあくしておく必要があるでしょう。

食感の変化も旨味と同様、魚によって多少の差がありますが、だいたい半日を過ぎるとやわらかくなる傾向にあります。また魚の肉汁は6時間ほど経過したあたりから増えていくものなので、新鮮だから脂が多いというわけでもありません。

まとめると、脂が少なく堅い刺身を味わいたいなら、取れ立てのものを食べるのが適していると言えるでしょう。逆に旨味が出て脂ののった柔らかいものを口にしたいのなら、魚を締めてから12時間前後経過したものが適しています。

なんの刺身を頼むか、そして自分の好みを踏まえて考える

つまり、朝いちで仕入れたから必ずしもおいしいというわけでなく、どのような料理を頼むかでも、最適な鮮度は変わると言えるでしょう。例えばマグロ丼のような脂が味を引き立てる料理は、数時間経過したものの方がよさそうです。

しかしマグロを刺身で食べたい場合、あまり肉汁が多いと逆に脂っこ過ぎておいしくありません。ですから大トロのような高級品ほど、鮮度がいいものの方がしつこさもなく、ほどよい旨味があるのでおいしいと言えるでしょう。

逆にもとから脂身の少ない魚は、少し時間が経過した方がほどよく旨味や肉汁が出ておいしくなると考えられます。上記のことを踏まえて、店で食べる場合は、自分の好みに合わせた魚を注文するようこころみてはどうでしょうか。